週刊上田に載った安田純平さんの記事   2004年7月17日
安田純平さん
「イラク現地報告会」 拘求したのは地元の農民 「広島・長崎を経験した日本が なぜ?」


 イラクで拘束され解放さ れたフリージャーナリスト 安田純平さんの「現地報告 会」が6月26日、長野大学 リブロホールで開かれまし た。上田市の市民グループ と住民有志でつくる実行委 員会の主催。
 安田さんは冒頭で、なぜ 信濃毎日新聞記者からフリ ーに転じイラク入りしたの かと問われるが、「イラク の現場に身を置きたかった、 そう答えるしかない」「戦 争が始まると大手の報道機 関の多くが去り、フリージ ャーナリストとNGOメン バーだけが現場に残った。 これもイラク戦争の特徴の ひとつ」と話し、ファルー ジヤ取材の可能性を探ろう と情報収集に出かけた途上 で拘束され解放されるまで の経過を詳しく報告。「わ れわれを拘束したのは、地 元の農民でつくるいわば自 警団のような人たちで、そ の多くは好感のもてる田舎 の青年だった。戦場で外部 からの侵入者を捕らえるの は当たり前の行為と言える。 それをブッシュ政権はすべ てひっくるめてテロリスト と呼び、空爆を行い、多く の民間人が死んだ」。メン バーのなかには、米軍に捕 らえられ暴行と性的虐待を 受けたという者がいて、 「同じことをされたら、お まえはどうする?」と問い かけられたとも。そして、 「テロリスト、自己責任な ど感情的な言葉が使われ、 それをメディアがそのまま 流すことで、しっかりとも のを考えることができなく されているのではないか」。
 また、自分らが殺されず に済んだのは銃を持ってい なかったことと、イラク人 が親日的であることとし、 拘束時にも「『日本は広 島・長崎を経験しながらな ぜアメリカにつくのか』と 言われた」「イ・イ戦争時 にもイラクにとどまり評価 を高めた日本企業人やかつ ての外交努力など、現在の 日本は先人の遺産を食いつ ぶしているのだと思う」。
 最後に、「自衛隊を″派 兵した″日本は今、まさし く戦時体制にあるが、多く の人はそのことに気づいて いない」「現在の生活を続 けるには米国との関係が大 事、との論理があるが、そ れはその結果イラクの人た ちが死んでも仕方がない、 という実にモラルのない態 度では」と語りました。    


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